歴史 history 2004 4 10
「一将功成って万骨枯る」
昔、十字軍という戦いがありました。
この戦いで、有名なのは、
リチャード1世とサラディンの戦いです。
両者とも、英雄として、歴史に名が残りました。
しかし、リチャード1世は、その治世の大部分を、
十字軍という遠征に費やし、
国王として、国内政治を顧みることはなかったのです。
英雄は英雄でしたが、
英雄は、経済や財政が理解できず、
多額の戦費によって、
国民は、経済的に困窮することになりました。
同じく、ヨーロッパの騎士団も、経済的に没落していったのです。
結果的には、相対的に、王権が強化されてしまい、
多くの市民にとっては、「停滞の時代」が始まるのです。
この「停滞の時代」は、
「市民革命の時代」まで続きました。
「一将功成って万骨枯る」
一人の将軍が、手柄をたてるときには、
無数の人々の生命が、犠牲になっているという意味です。
今も昔も、変わらぬ法則です。
現在では、一人の指導者が、手柄をたてるときには、
無数の人々の経済や財政が、犠牲になっているという意味でしょう。